In her shoes

 久しぶりのキャメロン・ディアスです。
 コメディエンヌの彼女は実に生き生きとしていますが、実はシリアスものの方が演技の評価が高かったりする彼女です。
で、この新作映画ですが、これぞ彼女の本領発揮が期待されます。

 でも、実は、楽しみなのは、彼女よりも、姉役で共演のトニ・コレットだったりします。
オーストラリアのシドニー生まれの彼女は今年33歳の中堅女優さん、キャメロンとは同い年なんですね。でも、彼女、随分前からおばさん役がとても板についています。ちょっと不幸で泣きそうな顔をやらせたら天下一品ではないでしょうか。これまで、有名どころでは、「エマ」シックス・センス」「シャフト」「アバウト・ア・ボーイ」「チェンジング・レーン」などに出演し、いずれの映画でもしっかりと脇を固めています。
色気をふりまくわけでも、知的なイメージでも、ワイルドな感じでも、アクションをこなすでもなく、ただ、黙々とおばさん役、おかあさん役を実に見事にこなします。一方でミュージカルにも出演し、トニー賞にノミネートされちゃったりもしています。
彼女のこのポジション取りは、実は最も息長く活躍できる位置だったりするかも知れません。今でもすでに大物女優の仲間入りしていますが、10年後には大女優になっている、そんな予感がします。
 ちなみに今回のこの映画での彼女は、いつものおばさん役とはちょっと違うようです。なので、余計に楽しみだったりします。

 共演は、シャーリー・マクレーン、あのウォーレン・ベイティのお姉さん、コメディエンヌの大御所ですね。アカデミー賞主演女優賞を「愛と追憶の日々」で受賞しています。
コメディエンヌが新旧3名そろい踏み、見事な手綱さばきを見せるか、監督カーティス・ハンソンはあの「L.A.コンフィデンシャル」でアカデミー賞を受賞したこともある実力者、原作は、1作目で全米ベストセラー作家となったジェニファー・ウェイナー、脚本は「エリン・ブロコビッチ」のスザンナ・グラント、そして製作総指揮はリドリー・スコット。最強の布陣です。さらに、衣裳デザイナーに「キューティ・ブロンド」のソフィー・デラコフ、音楽はマーク・アイシャムとまったく隙がありません。

 バリバリの弁護士の姉と派手で美しい妹、がしかし、姉はその容姿に失望し、妹は難読症に悩み、そして彼女たちの母(つまり自分の娘)の死に苦しむ祖母、この3人がそれぞれと真剣に向き合ったとき、いったい彼女たちにどんな変化が起こるのか。
会話の妙と迫真の演技を楽しみたい作品です。
 今からアカデミー賞が楽しみですが、主演女優賞はシャーリーズ・セロンの新作での彼女の演技の方が近い予感がします。