かんべいさんと少子化

かんべいさんが、かんべえの不規則発言の中で、少子化について以下のようにおっしゃっている。

〇念のために申し上げておきますが、こういうことを本気で言ってるわけじゃありませんよ。ワシはそもそも「少子化対策が必要だ」という考え方に疑問を感じている。「子供が欲しいのに、産めない」という人たちを助けるのは、政策として間違ってはいない。でも、「経済成長ができなくなるから、子供の数を増やそう」という発想はどこか狂ってるんじゃないだろうか。人間にとって経済は、手段であって目的ではないのである。

かんべいさんが、
「経済成長ができなくなるから、子供の数を増やそう」という発想を
どこか狂っていると思われる点については、まったく異論はありません。

でも、少子化問題って、経済面だけで言われているんでしたっけ?

私の理解ではどちらかといえば、
(1)「子供を授かり育てることもままならない」とか
   「子供を持ってもいいことなしで苦労ばかりが予想される」
    ような、現在の日本社会が問題だったり、
(2)各家庭の経済力が子供の将来の選択肢に少なからず影響を与えている社会が問題であり、
(3)さらに言えば、将来の経済成長や年金等社会保障制度にも深刻な影響を与えるおそれがある
といった話だと思うんですけどね。

日本という国は子供として生まれてきて幸せなのだろうか?(比較論ではなくです。)
日本という国は子育てをするにあたり、苦労を上回る喜びを感じることが出来る国となっているだろうか?

ということを今真剣に考え始めてのことなんじゃないでしょうかねぇ、今の少子化対策って。

経済が先に立つ話って、どうも「おっさんくさい」話に見えてしょうがありません。おそらくかんべいさんの所属される環境では、そういう方向からの見方になってしまうのかも知れませんが。

経済の専門家集団の方々には、是非とも子供が一人多く生まれることによるマクロ、ロングスパンでの経済効果でも論じていただいて、さらにはそこへの投資効果などを分析していただきたいものです。人間一人の消費、生産行動、しかも、日本人として生まれて来た場合の、これらの行動に値する額については、かなりのものではないでしょうか、それが、例えば、出生率で0.01%変動しただけで、どのくらいの経済効果があるのでしょうか?
よく、子供の出生率はあまり関係ないみたいなことを目にしたりしますが、であれば、五輪効果とか、阪神優勝効果とか、その他よくある効果って、どうでもよいように思われるんですけどね、気のせいですかね。
だからといって、その分析結果から、子供を産めとか産むなという話に発展させるべきという話ではなく、分析結果を見て、一喜一憂すればいいんじゃないかと。

日本って、

 子供を産みたくならない社会であり、
 かつ、
 それは、産業構造、労働実態を含めた経済界、経済面が影響を及ぼしている(経済成長、維持のためには、労働が優先されがちである。十分な保育キャパがないなど)から
 だとしたら、

それは暗黙のうちに、
 「経済成長・維持のために子供を産むのはやめよう」
と言っているのと同義なのですから、
だったら、
 「経済成長のために子供の数を増やそう」
という発想も大して変わりがないというか、むしろいまよりはまだマシかも知れません。

そんなことよりも、政界、財界、産業界、地域社会が総力戦で

 子供を産み育てることをしたくなる社会
 生まれてきてよかったと感じる社会

をさっさとつくらんか、このヴォケが!

といったところでしょうか。

より上の世代が下の世代をなんとかしてやりたいと思う、もしくは思える環境づくりに成功しなければ、種としては、その時点で終わりですな、はっはっは!

全国のお年寄りが、決起して、自分たちよりも未来の子供たちをなんとかしてやってくれと言い出すのを期待していてはダメですか、そうですか。

まぁ、自分たち(が種として)減れば、温暖化などの地球環境対策に大きく貢献できますな。

なんか寂しい話になってきてしまったので、このあたりでおしまい。