フランスの暴動についてはわからんとおっしゃる切込隊長が正解だと思いますよ、マジで。

 昨日、一昨日と、とっても軽い感じで暴動について書きました。だって、マジで静かなんだもの。
例の暴動の件 - antiECOがいるところ
前言撤回 パリ燃えちゃいました - antiECOがいるところ
 もちろん、ごく限られた特定の地域は危険でしょう、でも、夜間だけ。

日本のブロガーの方々は過剰反応し過ぎではないでしょうか。

 例えば、
雑記いろいろ('05.11.8): カワセミの世界情勢ブログ
パリが燃えている: カトラー:katolerのマーケティング言論

 パリでメトロに乗れば、アフリカ系、イスラム系のエスニックな顔がずらりと並んで座っていて、とてもヨーロッパとは思えない。

だなんて、ごく一部の路線の一部の区間の話ですから。

 実際にこういった若者にお会いになったことのない方々が新聞情報に頼ってお書きになるのは少々難しいように思います。

 昔、日本でも渋谷でチーマーとかオヤジ狩りがあったり(今でもあります?)、尾崎豊が校舎の窓ガラスを割ったような割らなかったような歌を歌ったり、校舎の中をバイクが走ったりしたのを大騒ぎしているようなものですが。
 フランスの若者、日本の若者と違い、すぐ行動に出がちです。バカロレアの改正問題の際に行動を起こす者もたくさんいれば、こういった騒ぎを起こすものもたくさんいるのです、反応の仕方が抗議のパレードと車を燃やすという違いがありますが。
 
 あまり、移民政策の失敗とか失業率とか宗教の問題とかいろいろ分析しない方がいいと思いますよ。

 一方で、さすがは、極東ブログfinalventさん、落ち着いていらっしゃいますね。そう、移民といったって正真正銘のフランス国籍を持ったフランス人。何事にも機会の平等が与えられていますから。
フランスの暴動について簡単な印象: 極東ブログ

 でも、一点、たいしたことではないですけど、今後の右傾化については今回の件はあまり影響ないと個人的には思いますけどどうでしょうか。言論闘争を背景としていない、かつ、おっしゃるようにお子ちゃまがちょっと熱くなりつつも意外と冷静だったりしながら(但し、一部のもともと悪い奴を除く)やってることについては、攻撃の対象としようがないですからね、大人げないですし。 ちょっとオイタが過ぎてる感もありますが。 かといって、もう保護者の庇護が必要歳でもないですから、最終的には自己責任でなんとかせいよという話でしょう。(もちろん、政府は、少年更正のための対策というか、アメみたいな部分も提示するとは思いますけどね。)
 
 ところで、一部の悪い奴はねぇ、元々悪いんですよ。比率として移民2、3世が多いことはは確かのようですが、それ以外の連中だっています、悪い奴らはつるみますから。
どこの国へ行ったって社会のはみ出し者はいるでしょ? 勉強嫌いで、かといって、音楽とか芸術とかサッカーとかの才能もなくて、くすぶっているのが。だから、つるんで遊ぶようになる、でもカネはない。家庭が貧乏な奴もいるし、一方でフランスの親は例えカネがあっても、ある程度の年齢になったら、子供に小遣いなんてほとんど渡しませんから、カネが必要になる。
 そこで、スリとか、強盗とかに手をだす。薬にも手を出す。よって、警察に追われる。いい加減手を焼いた警察も重点的な締め付けをする、手加減なしで。するとどうなるかって、こんなことを煽動する輩もいるでしょう。
 
 で、結論じみたことを言えば、なんかようわからんけどガキが怒りはじめて、そのうちあきるかと思ったら、まだまだ車とかよう燃えとるなぁと。かといって首謀者とか指導者とかいるような組織的でもないみたいだし、が一方でこれに便乗してるクソガキも混じって面倒くさいことになってるけど、どうする?みたいな状況。よって、報道だって事実関係を津与えることくらいしかやることない状況でしょ。
 
 しかし、うちの近所は静かですよ、シャンゼリゼ通りも今日も綺麗なお嬢さんがたくさんいたし。

 なお、2005-11-07 - kom’s logでkmiuraさんがかなりしっかりと説明されていますが、

根幹にあるのは移民に対する社会政策の不備だ。政策が不備であるゆえに社会が高度に階層化し、移民が代々社会的な底辺をさまよい、「社会のクズ」といった簡単な発言をきっかけに鬱積が爆発するのである。

と断言されているのですが、彼らを何とか出来る「社会政策」ってなんでしょうかね。不備でない状態になることはあるんですかね、つまり、ゲットーのいない世界。人や社会が成熟するのに時間が必要なんじゃないでしょうか、民族的な結束よりもむしろ民族的なしがらみの方が若いうちはやっかいなものですし。例えば、親戚を頼ってやってくる芋づる入国については、段々と厳しくしているのが現状ですが、今後一層厳しくすべきだとお考えでしょうか、それとも、以前のように緩めるべきだとお考えでしょうか、この問題は不正入国者や難民の問題とも非常に密接な関係があるようですが。
マジで「社会が高度に階層化」していたら、そもそも、あのジダンは誕生しないと思います。移民であろうとなかろうと、底辺から這い出すのは大変で、才能と努力が必要なのは同じでしょう。政策により、どのように底辺から抜け出せなくさせる障壁が設けられているのか実態がよく掴めませんが。(身近にうまいことやっている(他の移民の)方々もたくさんいますので余計に。)

 それと、id:Oohさんが、おっ - Oohの日記で、悩まれているようですが、特に内田樹さんの場合は、目線が高すぎる感じがします、上流階級とかグランゼコールとか。それらの層以外が社会の底辺ならば、ほとんどのフランス国民が底辺に暮らす者ということになり、それはあまりにも極端ではないかと。
 フランスには中流家庭はないですか、そうですか。
 メシ屋やったり、給仕をしたり、洋服作ったり、売ったり、髪をカットしたりしてたら貧乏ですか、そうですか。三つ星シェフじゃなきゃダメっすか。車の修理工場だって、いいカネ取るけど儲かってないですか、タクシーの運ちゃんもダメ? 
 
 フランスってマジメに抜け目なく働けば、結構食っていける国に見えますよ、私の目には。庶民のレベルの幸せですけど、もちろん(笑)。