小さな恋のメロディと爆弾、そして、有害情報と匿名

いろいろと巷で話題になっているようですね、総務省関係での例の発表。
 
「情報フロンティア研究会」の報告書の話(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000032-kyodo-bus_all)と、それとは別に、有害情報関係の「IT安心会議」でしたっけ。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050630-00000030-san-pol
こちら(http://blog.livedoor.jp/zentoku2246/archives/26609403.html)あたりは追記がどこまで続くのか別の意味で楽しみだったりするのですが、いろいろ巡回してみて思うことは、なぜか反応のポイントが違うぞと。
 
以前であれば、有害情報とはなんぞやとか、言論の自由とかそっちの方で盛り上がったような気がするのですが、どうも反応が匿名問題中心だったり、天下りがどうのだったり。
 
ということで、私は、古典的に有害情報とはなんぞやから頭の体操を始めたのでした。
 
で、思ったことは、当たり前のことだが、爆弾の作り方を学ぶことがまずいのではなく、爆弾を使ったりまた、それを目的として作ったりしたらいかんのではないかと。いや、昔子供の頃、化学実験クラブ(放課後クラブってやつですね。)で爆弾作ったり、火山をつくったりしたので、作ったり使ったりするのは全面的にいかんと言えるかどうか微妙ですが、とにかく殺傷目的に作ったり使ったりしちゃ絶対いかんだろうと。
そんなことをちらちらと考えていて、ふと思い出したのが、思い出の映画。

私がとても好きというか子供の頃の思い出の映画に「小さな恋のメロディ」というのがあります。
マーク・レスタージャック・ワイルドトレイシー・ハイド
が出演。我々の世代にはある意味、トレイシー・ハイドこそが理想の女性みたいな刷り込みを見事にしてくれた偉大(?)なる作品です。

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それがなんで、爆弾と関係あるんだというと、実はこの作品中で、子供たちの中で爆弾づくりにいそしむ子供が出てきます。10歳のガキんちょでも永遠の愛を誓う2人、札付きの悪、一方で爆弾づくりにいそしむいわゆるマニア(もしくはオタッキー)な少年。

愛する二人のバックグラウンド、つまり家庭環境などの違いを乗り越え、教師たちの妨害を乗り越え、最後の戦いを経て、二人の旅立ちまでが描かれているのですが、その中で、爆弾づくりの子の技術も上がり、それは、人を殺傷するのではなく、壁をぶち壊すのに使われたときに評価が得られるのです。目立たない存在だった彼の事を理科の教師が認めるみたいな。
 
この作品が公開されたのが、1971年、劇中の少年たちとほぼ同年齢だったわけですよ、私は。
カルチャーショックを受けるわけですよ、イギリスのガキってこうなのかと。その頃日本ではゴジラヘドラと戦い、ガメラがギロンに切られて血を流していたわけですよ。この違いは何だと。

話がどっかいっちゃいましたね。
 
そうそう、爆弾です。いや、爆弾というよりも、有害情報ですね。
どうもネットの反応が不思議なわけですよ、すでに過去に語りつくされたせいか、有害情報ってなによという話よりも、委員会つくって、天下りしてみたいな話だったり、匿名vs実名だったりする。これは冒頭ですでに書きましたね。
 
どうも言論の中身としてどうよというよりも、形式論に流されている感じがするのですね。これは、例の人権擁護法案の影響でしょうか?
まずは、有害図書規制みたいなものをネットでやるにしても、対象はお子様だけなんですよ、ねぇ、まさか、大人も巻き込むなんてことはないんでしょ、みたいな話からはじめてはくれないわけですよ、巷では。
 
前にも書いたんだけど、PG12とかPG15みたいな規制、ネットでどうやってやるんだって話。
もちろん、すでにそんなソフトウェアがあって、我が家でも使ってるけど、おい、そこ排除してどうするみたいな排除しちゃうしね。
 
酸いも甘いもみたいなのを思い切り嫌うところが、とっても日本的。
この国にはオウンリスクってのはないんですかねぇ。それは保護者の場合は子が冒すリスクも含めてオウンリスクなんだけど。
非常にアメリカ的というか、コーヒーが太ももにかかってやけどをしたのは、車に乗っている客にふたをつけなかったコーヒー屋の責任みたいな話だったりしてね。
 
子供が見るかも知れんインターネットにそんな情報を載せるなと。じゃあ、爆弾というキーワードで探し出してくる検索エンジンはどうよと。
 
そもそも、検索エンジンがそういうキーワードを受け付けんなよと。いや、大人が探す場合だってあるだろう、黒色火薬ってなんだとか、ダイナマイトがどうだとか、TNTがどうだとか。だったら、検索サービス利用を登録制にするとかすればいいんじゃないのって話が早いんじゃないのって話。有害情報につながるキーワードの場合、年齢はとか聞いてくればいいんだからさ。まぁ、じゃあ、どのキーワードがダメかなんて話になって、ひと悶着あるんだろうけどね。
AV女優はダメだろう、だけどAVだと2種類あるぞとかね。AudioVisualの方を殺しちゃいかんだろうとか。
加藤鷹はどうよ、チョコボール向井と村西監督はアウトか?でも高橋がなりは微妙だぞとかね。及川奈央どうする?とか。
 
話がそれたので、爆弾に戻しましょう。そもそも、瓶に花火の火薬ほぐしてつめて、そのとき釘なんかを混ぜておくなんてのは、インターネットでの知識かい?殺傷力を上げるためにはパイナップル爆弾では云々とか、手榴弾の構造としくみなんての、小中学生の頃、普通に百科事典にでてた記憶があるんだけど。
 
いやぁ、手軽にインターネットで調べられるのが敷居を低くしてるなんて話になるのだったら、敷居を低くしたのは検索エンジンとかサービスでしょっていう理屈も成り立つのではないかしら???
 
検索エンジンとかなかったら、そうそう探し出せないんじゃないの、該当サイト。
いや、2ちゃんねるみたいなところにURL晒したら一発だろ、みたいな話になったら、それこそ、そんなもん晒したやつはいかんだろうみたいな話になればいいわけで。
 
だって、

「『いまから有害サイト認定作業してどうするの?それこそ、万人にとって有害なのかそれとも一部(例えばお子様)にとって有害なのか、いろいろだ。そんじゃ、今あるエロサイト、全部駆除ですか?エロ認定はどうやってします?画像ですか?でもそれって、乳首が見えていたらアウト、それともほんのわずかでも隠れていたらOKとか?マジでいちいちやりますか???ミロのビーナスどうする?とかルーブル美術館の作品ならヌードでもOK?』とか。
 
『いやぁ、エロ系は芸術性のある作品とかいろいろあるので、別途小委員会を設けながら慎重にやりましょう、それよりも、まずは生命の危険に及ぶものからですよ』とかいう話で、爆弾とか自殺サイトからですか。
 
『でもですね、自殺の仕方なんてのを読んでいて、自殺したくなるもんなんでしょうか、問題は、一緒に自殺しましょうとか悩みを打ち明けているうちに絶望感から死のうと思ったりして、でも一人ではということで仲間を募ったりしてですね、いわゆる出会い系サイトなんてのがあるわけで、そこでは援助交際の温床となっていたり、そのトラブルがあったりしてですね...いや、でも、ネットで知り合った友達のおかげで死のうと思っていたのを踏みとどまるなんてケースもあるので、一概に出会いサイトがまずいとは言い切れないですしね。結婚紹介所のネット版も実際あるわけですし、このような場合は、身元の確認が取れるわけですね。ということであれば、ネットを利用する際に、なんらかの形で個人認証を行うことにしてですよ、それでですね、その属性によって自己責任を取ってもらえばいいわけでして。』
 
『いや、その個人認証ですが、それは、どこかの管理サーバで行うということですか、いわゆるID番号制みたいな形で。それは難しいですね、個人情報保護の観点から、そのような情報が管理され、接続の度に照会される。そして、それをどうするのでしょうか、使用コンピュータにクッキーみたいな形で保持して利用が継続されるのか、それとも、ページが変わるたびに、再度照会するということですか?』
 
『いやぁ、基本的には、接続端末もしくはコンピュータ上に最低限の個人情報を持ってもらうもしくは、ネット接続用のICカードみたいなものを持ってもらうんでしょうかねぇ。ちょうど住民基本台帳用カードもありますし、あれを国民全員が保有して、ネットに接続する際に差し込んでもらうのがいいんじゃないですかね。ネット使用時に照会すれば、それで終了と。ネット上を流通するのは暗号化されたIDナンバーだけで十分でしょう、そして、照会先から接続端末に送られてくるのは属性つまり成人かどうかなどの必要最低限の情報のみで、その属性によって、閲覧可能対象サイトが異なるということで。』
 
『それは、よくないでしょう、すべてが管理される世の中なんて冗談じゃない。』」
 
とかなんとかいう議論を期待していたのですが、そんな感じではないので、なぜか拍子抜けですね。

実際のところはどうなのかというと、
 接続業者による自主規制の支援
 フィルタリングソフトの普及促進
 情報モラル教育の充実
 相談窓口の充実
ということで、業者の自主規制のあり方についてはこれから研究会を立ち上げていくそうだし、表現の自由や通信の秘密に配慮とあるのだから、従来の延長線上で、現行法の解釈の範囲内でやれるべきことをやりましょうみたいなところでしょうか。
 
至極まっとうではないですか。
 
まぁ、自意識過剰なのかも知れませんね、我々ブロガーは。
 
結論はといえば、フィルタリングソフト配布もいいですけど、検索エンジンをどうにかした方がいいんじゃないですかという話でした。
 
<蛇足>
いやぁ、各種検索エンジンにはとてもお世話になっているのですが、「裏ビデオ」とか「爆弾」とか「エロ」と「風俗」かでぞろぞろ検索結果が出てくるのも如何なものかと。諸刃の剣ってやつですか。
キーワードによっては、あんた何歳?みたいなのが出てくる必要があるのかなぁ。全面禁止とうか排除する必要についてはよくわかりませんが。
検索エンジンなかったら、そう簡単というか気軽にいわゆる「有害情報」には到達できないのではないかと。
そういえば昔ポータルサイトにもアダルトとか風俗のカテゴリーあったよなぁとか思ったり。
 
ただ、最近、利用頻度減ったなぁ。学術論文とか探すのでも、専用サイトあるしね。
 
それはそうと、はてなキーワードにも18禁とか必要なのかなぁ。