外人の顔

いい加減、外人の顔は見飽きたぜ
などとメトロの中でふと思ったのだが、
実は私が外人ということに気づいて、あほらしくなった。
 
欧州人にとっての外人顔ってどんなんだろうと思って、身近な外人に尋ねてみた。
そしたら、
「そんな概念はない。」
と一蹴された。
 
そして、
「お前ら、俺たちのこと、『ガイジン』って呼んでんだろ、知ってるぜ。」
と小馬鹿にされた。
 
そうだよね、「ガイジン」は外人でも知ってる日本語だもんね。
 
そして、
「そういうことが聞きたいんだったら、アジア人とか日本人の顔ってどうよって聞け。」
と、注文を出された。
 
なので、
「どうよ?」
と尋ねたら、
「ぼやっとした顔だな。」
という答えが返ってきた。
 
「俺とは違っていい男もいるぞ」と反論したら  ←反論でいいのか?
 
「どこの国だっていい男はいる。ブサイクだっている。イタイ奴だな」
と切り返された。
 
アホらしくなったので、会話を止めた。
 
仕事に行き詰まったり疲れたりすると、こんな会話で気分転換するおっさんが二人、今日も顔を真っ赤っかにしながら、もくもくを仕事をこなす姿は、端から見て、不気味らしい。