24時間営業のインターネット −エログとかエロサイトとか−

たまにはマジメな話でも。

インターネットの発展にエロがかなり貢献したことは間違いないだろう。
私自身がインターネットの世界と関わり合いを持ったのは今から12年前、UNIXMOSAICの時代だ。
当時から海外との情報を頻繁にやりとりする必要があったため、当時は東大など国立大を中心とした学際ネットワークのバックボーンくらいしかなかった時代にどうやって導入するか調べてもらったりしていた。
その後、商用ネットワークが発達し、また、ウインドウズやマックOSでのネット対応機能の強化などにより、各所でクラサバが導入され、ウェブサイトへの接続が可能となっていったが、やはり人間は煩悩の生き物、まずはエロサイトの閲覧から始めた人も多かったのではないかと思う。ダウンロードした無修正画像が見つかって大騒ぎなどという騒動も水面下ではかなりあったのではないだろうか。

そして今、いろいろと規制の網がかかるものの、海外サーバへの退避やなりすまし、スパムなど巧妙にかつ技術的に発展をしている。そういった意味での貢献度は高いようだ。

とはいっても、ライブドアが球団経営に乗り出そうとしたとき、アダルトサイトのことが問題視された。確かに現在でもエログなどが多数見られることは確かだ。この4月からは有料化することにより差別化を図る予定だということだが、一掃する訳ではない。

ここで、テレビやラジオなどの既存の媒体と比較したときに、インターネットには最大の弱点がある。

インターネットの世界は時間が止まっているのだ。

つまり、私の日記だろうがなんだろうが、サーバが停止しない限り、同じものをどんな時間帯でもいつでも自由に閲覧することが出来る。
エロサイトだけは18歳以上かどうか問いかける画面があったりするが、エログではあまり見かけない。
一方、テレビやラジオでは時間帯により、その放送内容についてある程度の自主規制を行っている。深夜の時間帯になるにつれてそのラインは徐々に下がるらしい。
インターネット上で動画や音声をライブ発信する場合は、同様のラインを適用することは可能だろう。しかし、ライブでないものについては、対処が難しい。一番厳しいラインにあわせるしかなくなるからだ。
また、これはエロに限った話ではない。
暴力的な表現や汚い言葉なども考慮しなければならない要素だろう。

インターネットが既存メディアと肩を並べ、誰もが普通に利用できる環境になる際の最大の関門が、この問題ではないかと思っている。

特にテレビ局やラジオ局がインタラクティブにネットとコラボレーションを図るようになるタイミングでは、テレビ局やラジオ局自身がそのような問題かつ自主規制との自己矛盾に対峙することになる。
このままでは、今までのテレビやラジオの自主規制こそが無意味化してしまうからだ。

以前、キムタク主演の「ギフト」がバタフライナイフの事件が起こったことにより問題視された。人気の高いドラマだったが、再放送の話やDVD化などの話は聞かない。

インターネットの利用率がテレビやラジオと肩を並べたときに、規制を求める声にどう対峙できるのかが、正直言って私にはまだ見えてこない。

インターネットは究極のマルチチャンネル、無時間の世界だ。

これを商用メディアとして活用するためには、まだまだ、多くの試練を乗り越えなくてはならない。よって、フロントランナーとして突っ走るには相当のリスクを覚悟しなければならないだろう。

報道系や学術系のプログラムならまだしも、エンタ、お色気、バラエティ系やサスペンス、バイオレンス系のプログラム提供のスポンサーになる企業や提供企業は決断に勇気がいることだろう。

ただその前に、ライブドアには、まずは、エログやエロサイトとの今後のつきあい方について説明を聞く必要があるかもしれない。そのあたりがクリアかつ世間の認容可能なレベルに到達しない限り、ネットの発展には限界があるように感じてならない。