チップとかチップとかチップとか

日本人のなじみのない制度というか慣習にチップがあります。
この制度、欧州と米国ではまったく異なります。
米国ではほぼ義務らしいです。
が、しかし、ここはケチというか納得のいかないものには一銭も払わない欧州人、チップだってそう簡単には出しません。
いろいろな国の人に話を聞くと、英、仏、蘭の順にケチというか財布の紐が堅く、それ以外はまだ寛容なようです。
但し、英国は貰う立場になるとがめついらしく、お会計の際のシートにチップ記入欄なんてものを設けていたりします。ここに書くんだぞと言わんばかりににらみをきかせているわけです。一方、フランスのシートにはそんな欄なんぞありません。
フランス人に言わせれば、「既成事実のようにそんな欄を設ける英国人は何様だ」と言って彼らをけなします。
英国人は英国人で、
「流儀がわからなくて困る人がいるかも知れないので、はっきりとさせているだけだ。例えゼロでも構わない、相手に委ねているのだから。」と言って反論します。
要はどちらも払いたくないし、貰えるものはいくらでももらうということだけなんですけどね。
ということで、欧州に来たら、そんなにチップなぞ置かなくてもまったく構いません。気にするだけアホらしいですね。そのサービスに感動すればちょっと多めに置けばいいし、気分が悪ければ、もしくは特段サービスを受けた気がしなければ、まったくなしでもトラブルは発生しません。
え、多めってどのくらいなの、目安がわからないという方に、フランスでの目安でも。
例えば、カフェでカフェを飲むとします。
1杯1.8ユーロだとします。そしたら、2ユーロ出して、おつりをそのまま置いておけばそれでOKです。割とそういうおつりの出やすい価格設定がなされている場合が多いです。ちゃっかりしてますね。もちろん、おつりをそのまま持ち帰ることも可です。
ランチをMENU(定食)で頼むとします。食後のカフェを含めて15ユーロくらいでしょうか。こういったケースでは、まぁ、せいぜい50セント、マジでサービスがよかったぁと思ったら多くても1ユーロ程度。ガイドブックによく出ている料金の1割なんて払う人こっちにはまずいませんね。夕食時も1テーブル2,3ユーロで十分です。これもまあまあのサービスを受けたときですけど。
ただ、ホテルの部屋だけは、日本人はくれるものと思っている人も多いようなので、1ユーロくらい置いておけばいいんじゃないでしょうか。そうすれば嫌がらせもありませんし。もちろんフランス語でフロントに掛け合うことができる人はご自由にということでしょうか。
他ではタクシーはチップは必要ないです。
例外はクロークがある際にコートを預けるときですね。1ユーロを手渡すのが常識となっているようです。
じゃあ英国は?
知り合いの英国人Aさん(50代半ば)曰く、
「私は生まれてこの方チップなぞはっきりと金額を求められたとき以外払ったことなどない。例え求められても理由を聞き、納得がいかなければ払わん。理由をつけて値切ることもある。自分から進んで払うなど愚か者のすることだ。」