NEETについて初めて触れてみる。

ブログ徘徊中に、ふと目が止まったエントリーがある。
汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOGだ。
そして、その中でR30氏のエントリーニートになりたい僕たち: R30::マーケティング社会時評が引用されていた。

今から20年以上も前、大学生の頃、ホストのまねごとみたいなことをしていたことがあった。友達の一人がマジでホストをしていて、アルバイトしないかと誘われたからだ。
当時は今のビジュアル系と伝統的なホストが入り交じるちょっと異様な世界だった。

あるとき、その店のNO.1に、「おい、学生、おまえ将来なにをやりたいんだ。」と聞かれた。
そのとき、「男性版の専業主婦なんていいっすね」と軽いノリで答えたら一笑に付された。

「バカ、それ、おまえ、昔なら髪結いの亭主、今はヒモっていうんだ。あのな、それバカにすんじゃねえぞ。どっちも簡単に勤まるもんじゃねぇ。女騙して金稼ぐのはちょっとコツさえつかめればそこそこなんとかなるもんだけどよ、ヒモになってぶらさがっといて、その女に気持ちよく働いてもらって小遣いもらうなんてのは至難のわざだ。ある意味、究極の芸だね。よっぽど才能がないと出来るもんじゃない。それからな、そういうやつらは男のプライド捨てた女の腐ったやつの見たいなこと言う輩も多いけどな、男のプライドを捨てたような奴を食わせてやってもいいなんて思っているようなそんなボランティア精神旺盛で変わりもんの女がいるなんて話、俺は聞いたことないな。説明すんのは難しいけど、ありゃ難しいぞ。おまえには絶対無理だ。断言してやる。それよりも、おまえ、情の深い女に刺されないように特に夜道には気をつけな。やさしさの代償は思ったよりもでけえぞ。」

なんて調子で小一時間、その人を聞かされたっけ。

そして、これには、後日談がある。
ある日そのお店がはけたあと、とあるお店に飲みに行ったときのことだ。
みんなでいい調子になって騒いでいたときに、
そのお店のママが「ちょっと、ちょっと、話があるのよぉ。とっても大事な話。」と呼び掛けられた。
「なんすか、大事な話って。」と店のカウンター席に腰をおろし、ママの口元に耳を寄せた。

「ちょっと、○○君から聞いたわよ、あなたのこと。専業主夫っていうの、そういうのあんた、将来やりたいんだって。だったら、私がやらせてあげてもいいわよーん。(上がり調子)ぐふふふふ。」と手の指をさわさわされた。背筋に寒いのを感じつつ、
「いや、ママさんのなんてめっそうもないっす。格違いですから。」と勢いよく辞退しようとしたが、
「そんなこと、どうでもいいじゃない。わたし、この指が好きなのよ。だったら、この手だけでも頂戴。」と空いている方の手で包丁を握ったときには、正直マジでこれはヤバイと思い、思いっきり手をふりほどいて逃げようとした瞬間、後ろから聞き覚えのある声がした。
「ほら、言っただろう、いつか刺されるって。じゃあ、今日はみんなおまえにゴチになるから。」と今度も耳元でささやかれた。
「よーし、みんな解散、○○にゴチになりますって言って帰れ。」
そして、店はママ(♂)と私の二人っきりになった。
ママは私に尋ねかけた。
「あんた、今日いくら持ってんの?」
「○○○○円ですけど。」
「あら、全然足りないじゃない。どうする?」
「いや、明日一番で持ってきます。」
「あら、別にそんな無理しなくてもいいわよん。そのかわりに、ねっ、・・・」

それ以来、専業主夫などと2度と軽々しく言うまいと深く反省した。

話はすっかり横道にそれてしまった。NEETの話だ。

実は、NEETの話題が盛り上がっている頃、こっちの事情でも書こうかと思ったりした。なんせ失業率10%の国、いくらでもそんな話題は転がっている。もちろん、女性の就業率や就業希望率が高いことや、移民問題などもあって、日本よりも難しい面もある。なので、もうちょっと事情が把握できてからじっくりと分析してみるつもりだった。(それについては今もそうしようと思っている。)
そして、こっちの事情なんかを機会があるたびに聞いたりしているうちに、日本の状況についてふと疑問に思うことがあった。
職探しも進学も職業訓練もしていない若年無業者ニートと呼ぶ。
若年ってどうして、15−34歳なんて中途半端な仕切だ。
中学卒業していきなりニート扱いせんでもよかろうに。
しばらく職探しをしたけど諸事情からあきらめた人は含まれるのか。
表に出せないヤバイ仕事してる者は範疇か。
ボランティア活動に没頭している人はどうなんだ。
駅前留学とか、茶道、華道、踊りの稽古なんてのは職業訓練に入るのか。
海外を旅している連中はどうなんだ。
自分の趣味を極めようなんていう連中は含まれるのか。

つまり、ニートとひとくくりにしたって、その中身は昔と違ってかなり多様化してそうだ。

カジテツを含めれば、数だけは見かけ増える一方だろう。

が、しかし、NEETを多数抱えられる国ってそれだけ豊かで平和な証拠、悪いことばかりでは決してないだろう。その余裕は将来世界に誇れる文化を生み出す可能性だって秘めている。まぁ、これについては可能性ってことだけで、今は埋もれているダイヤの原石と目利きのパトロンが存在していて初めて成り立つ話ではあるが。(笑)

それに、今でこそ女性の就業率は上がったが、昔のカジテツの女性の数を考えたら、下手したら総数では昔より減った可能性もある。

そんな風に考えていたら、全体論で考えるべき深刻な問題かどうかわからなくなったので、思考停止。

あと、それと、移民問題と抱き合わせるのはちょっと無理っぽい。職業技能を持たない移民受け入れでうまくいっている国が少なく、どの国も移民規制強化に動いている状況下において、わざわざニート問題を持ち出すほどではないように思われ(但し、日系人等過去のしがらみ関係を除く。)。受け入れ外国人の資格レベルをどう設定するかの話の時に、含まれる学歴、技能レベルが雑多なニート群を出してもあまり効果的ではなさそう。ただ単に、ほら余ってるでしょうという話にしかならず、意味がありそうなのはノーガード受け入れを検討し始めたときだけど、これは他の社会経費の増加懸念など、ちょっと無理目。短中期的使い捨て労働力目当ては今後人権問題バリバリ発生しそうだし。

やっぱ親子兄弟親戚一同、地域一丸となってなんとかしていくんじゃないのかなぁ、なんとかして働かせたいのだったら。