アカデミー賞雑感

(1)10億人が見ている?
今年のアカデミー賞授賞式を見た人の数ですが、全米ではなんとか4000万人以上の人が生中継を視聴したとのこと。
全米の人口の約15%が見ている計算らしいのですが、よく授賞式のスピーチやプレスで、世界の10億人が見ているなんて話が昔から頻繁に語られています。時には思いっきり誇張して15億人の人がこのスピーチを見ている、どうしようなんてのもあるみたいですが、実際のところはどうも怪しそうです。
というのも、ここフランスもそう(canal+)なんですが、日本もこの生中継は衛星放送(wowow)での放映で、実は見ている人は非常に限られてしまっています。映画好きの多いこの2つの国でそうなのですから、他の国ではたかが知れています。それと、特に欧州では時差の問題があります。スタートが日曜深夜の午前2時半ですから、そもそも多くの視聴者など期待できません。いや、人口の多い中国やインドがあるではないかという話もありますが、人口に対するテレビの普及率や衛星放送契約者の人数を考えると、どうも難しそうです。実際のところ、多く見積もっても5−6億人程度ではないかと言われています。
ちなみに、南米では、アカデミー賞よりもミスコンの方が人気があるようです。
なので、授賞式のスピーチを実際に見ている人は少ないのでしょうね。
(2)スピーチ
アカデミー賞と言えば、司会者、プレゼンター、そして受賞者のスピーチがとても楽しみです。この日のためにセリフのプロがとびっきりのスピーチを用意してくるのですから、楽しくない訳がありません。(もちろんファッションも楽しいのですが。)
但し、かつてのケビン・コスナーさんのように、えっ?役者さんなのにカンペを用意しているにもかかわらず、しどろもどろになってしまうケースもあるようで、こういった方の場合、実際の撮影現場ではどうなんだろうとよけいな心配をしてしまったりします。
やはり、生という現場は緊張するものなのでしょうか?コメディアン系の方はさすがに舞台慣れしているようで、本当にいつも楽しませてくれます。
今までで、一番記憶に残っているのは、1980年代はじめのころだったと思うのですが、ゴールディ・ホーンさんとカート・ラッセルさんが二人でプレゼンターをしたときに、カートさんがゴールディさんに煽られて思わずプロポーズをしてしまいそうになってしまったときの様子が今でも忘れられません。
ゴールディさん、小悪魔というよりも大悪魔でしたね。ほんとキュートな彼女のスピーチから始まったのですが、カートさんがほとんど言いかかってなんとか踏みとどまったときの彼女の「ちぇっ、あともう一押しだったのに」と言いたげな不満そうな顔を見たときに、女性って恐ろしいんだとその時気づきました。彼女の娘さんはケイト・ハドソン、そう、彼女もブリブリですよね。
おそらく今50歳を超えていると思いますが、あの頃と比べて目尻のしわ以外はほとんど変わっておらず、相変わらずキャピキャピしているようですが、実際は映画の総指揮などをこなすやり手の方のようです。
でも、好きなんですよね、彼女のスクリーンでの姿や、スピーチが。魔物に取り憑かれているのかも知れません。
ということで、今日見た映画は、彼女の初期の代表作の1本です。