うちは「少なからぬ方々」に含まれているのだろうか?

11月26日の週間!木村剛、「Tax PayerからTax Eaterに申し上げたいこと」(http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2004/11/tax_payertax_ea.html
の中で、

先週の「BLOG of the Week」で、「国家公務員っていいなぁ」とさらっと書いたことが少なからぬ方々の逆鱗に触れてしまったようで恐縮しております。

と書かれていた。
トラックバックはさせていただいた(d:id:antiECO:20041120)のだが、不思議に感じただけで、まったく逆鱗には触れてはいないので、該当するとは思っていないのだが、少なからぬ方々ということは、今回紹介された記事以外にもいくつか該当するものがあるということになるし、かつ、該当しそうな他のトラックバックが数多くある訳ではないので、とりあえず、まずは整理から試みる。

11月20日
 週間!木村剛にて、「[BLOG of the Week] 国家公務員っていいなあ・・・」(http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2004/11/blog_of_the_wee.html)が掲載される。
 木村氏の感想のあと、「いい国作ろう!『怒りのぶろぐ』」さんの「国家公務員共済の謎3」(http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/03f469d155aec11260521ca38cbdaf61)が引用されて紹介されている。
11月20日から現在までで、13件のトラックバックが寄せられた模様。 
11月26日
 週間!木村剛にて、「[BLOG of the Week] Tax PayerからTax Eaterに申し上げたいこと」が掲載される。
 冒頭の逆鱗云々のコメントのあと、「Richstyles!」さんのトラックバックの内容(http://www.richstyles.net/archives/2004/11/aaaaaaaaa_3.html)の一部が紹介される。
 その後、「Tax Eaterであることの重み」、「リスク」、「退職金」、「自浄作用」の話と続き、改革派国家公務員の話で終わる。

さて、11月20日の話に戻るが、少なくとも私の理解では、この話は「国家公務員共済」の話だけであり、「自浄作用」とか「改革派」の話は出てこない。ここでいうところの国家公務員はすべての現役国家公務員が対象ということになる。
そして、改革派を含む「現役国家公務員」は「いいなぁ・・・」と言われている。
また、紹介された「国家公務員共済の謎3」は、あくまで国家公務員共済組合連合会の話であって、現役国家公務員の話ではない。よって、「いいなぁ・・・」という話と紹介された話は直接接点がない。

次に、11月26日に移る。
 「Tax Eater」としての重みと仕事の内容との関係を示唆。
 国家公務員はリスクをとる必要もなく、失業する危険性もないとした。
 退職金として、指定職である事務次官クラスの例示があった。
 国家のための仕事をしていただきたいの願い。
 自浄作用が必要としている。

それでは、整理。
11月20日には国家公務員の何がいいのか具体的指摘はされてないし、国家公務員の批判もない。
なので、antiECOは国家公務員批判云々の話はまったく触れなかった。
このとき不思議に思ったのは、「いい国作ろう!『怒りのぶろぐ』」さんの「国家公務員共済の謎」シリーズは1から13まであるのに、なぜあえて3が選ばれたのかという点のみ。

次に、今回の記事。13件のトラックバックを読み直しても、逆鱗に触れて書かれたような記事は他には見あたらないように思う。では、なぜ、少なからぬ方々としたのか。
また、このコメントの中で、「国家公務員」という言葉の扱いが、あるときは身分だったり、あるときは職業だったりと揺らいでいるように見受けられる。
そして、「自浄作用」を求めているようだが、具体的な指摘がない。
つまり、国家公務員の何が悪いのかが少なくとも20日と26日の記事には一切書かれていない。
さらに、改革派の国家公務員以外をすべて否定している訳ではないのだろうが、改革派以外の国家公務員は批判の対象であることを暗に認めている。

ここで、国家公務員について少々。
国家公務員の主たる業務は、政策に関する企画、立案や法の施行にかかる事務だ。各省所管の法の数や所管課の割合から言って、国家公務員の多くは法の施行に係る事務(予算、決算に係る事務を含む)に携わっているのだろう。多くの国家公務員が各省職員として粛々とこれらの事務に携わり、法の適正な運用に努めているかどうかどうかの議論を抜きにして、なぜ、一足飛びに自浄作用が必要などという話になるのかがわからない。仮にそれが年金制度運用に問題があるのならば、財務省厚生労働省関係部局そして、社会保険庁の職員の問題であって、国家公務員という身分を保有する人間全体の問題ではないし、自浄作用も必要とされないだろう。
次に、国家公務員にはリスクがなく、失業する危険性もないという話。これも少々理論的でないように思う。行政訴訟というリスクは法の施行に携わる限り、常につきまとうだろう。また、それにより当然失業の危険性もあるはずだ。まさか、ここでの失業を、懲戒免職のみを対象としている訳ではないだろう。さらにはここ数年で、独立行政法人化により多くの国家公務員がその身分をすでに失っている。転職や免職のケースを除くすべての職員が定年まで勤務しているという調査結果でもあるのだろうか。

国家のための仕事っていったいなんだろう。Aという法律を所管する課に配属された職員はその法律の施行のための事務を全うしているはずだ。法の施行に問題があるとの指摘があった法がかなりあるのだろうか。そういった仕事が集合体となって、国家の仕事となる。それ以外の仕事を設けるのあれば、それなりの人員増強が必要だろう。それとも、いくつか法を廃止せよとでもいうのだろうか。
さらには、国家公務員の就業状況は以前からILOにより指摘され、改善が求められている点についてはどう考えているのだろうか。

事務次官は指定職であって、一般行政職ではないので、例示として果たして適当か。

結論
国家公務員の民間人よりもよいと思われる点は見つからず。
国家公務員のどこに問題があり、何を改革すべきなのか不明。
国家のための仕事とは政策の企画・立案や法施行に係る事務以外に具体的に何であるか不明。
20日と26日の話はどうやって繋がっているのかが結局わからずじまい。

(上記と関係ない話、週間!木村剛関連ということで、ご確認)
「そこはか日記」さんは、「BLOG of the Week」ではなくて、「Words of the Blogger」ですよね、念のため。一体どこに向かってお怒りなのでしょう???(http://kondora.cocolog-nifty.com/sokohakanikki/2004/11/post_54.html)気になる。
−追記−
はてな日記のトラックバック送信機能の調子がおかしい。違う方がどうも送られてしまう、なぜだ???