とある伴家での会話(その1) 貧困からその会話は始まった。

(知恵ちゃん)antiECOのおじさん、どうしちゃったのかなぁ。怒っているのかなぁ。
(伴兄さん)あのこと?それともあっち?それともあれかな? いや、そんなの全然気にしてないって。たぶん疲れちゃっただけだと思うよ。復活して以来、随分とたくさん書いてたから。あの数倍は仕事で書いてるのに、あれだもん。キーボート叩き過ぎて、腱鞘炎になっちゃったらしいよ。不思議なのはしゃべってもいないのに、たくさんしゃべった気になって、どうやら声が枯れてちゃったみたいなんだ。さっき電話したとき聞いたら、もう、ひどいひどい。
(知恵)なんだ、なら、心配いらないわね。腱鞘炎はしょっちゅうだもの。ところでおじさん、なんであんなに貧困層にこだわってるのかしら。
(伴)千恵ちゃんは、貧困層ってどういう人たちを指すか知ってる?

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とある伴家での会話(その2)若者はフランス人だった。 

(知恵)おいしかったね。ところで、低所得者用住宅の多い地域に暮らす人々の失業率ってどんな感じなの?
(伴)35%とか言われているよね。でも残りの65%は職を持って働いている。
(知恵)今回の暴動だけど、若者だよね。彼らは移民なの?
(伴)いや、彼らの多くはフランス国籍を有するフランス人らしいよ。制度上差別されることはまったくないみたいだ。義務教育制度は整っているし、職業訓練校だって入れる。高等教育もほとんどお金はかからないし、その選考に関して差別されることはないというか、移民数の多いアルジェリア人では25%を越えるような混合婚率だもの、もはや出自で差をつけることが難しい状況らしいよ、反対にトルコ人パキスタン人はものすごく混合婚率低いらしいけどね。アングロサクソン系の国ではまずありえないような混合状態、だから、おじさんもNYのことを引き合いに出したりしたんだろうね。
(知恵)今回不思議だなぁって思ったのは、彼ら、自分の近所の車とか幼稚園とかモスクまで火をつけちゃってるよね、なんで、他の地区の車じゃないんだろう、もし同族意識があるんだとしたらって考えるとちょっと考えちゃうの。

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とある伴家での会話(その3) 最終回。フランスのご老人は怒らせてはいけない?

(知恵)おなかも膨らんだし、さあ、続きをしましょうよ。
(伴)うん。そういえば、シラク大統領の演説があったそうだよ。
(知恵)今回の暴動について?
(伴)彼は、英語で言うところの、「profound malaise」という言葉でこの騒動のことを示してるんだけど、日本語だと「深刻な憂慮すべき状況」とでもしちゃうのかな?「malaise」は正確には、「社会もしくは集団において、即座にもしくは簡単には解決できない何らかの悪い状況があること」という意味なんだけどね。
演説のポイントを挙げてみるね。
まずは、
(1)非常事態宣言が3ヶ月延長(来年の2月まで)されることが決定したこと
(2)軍、警察、健康、文化などの分野で50000人の若者がOJT(実地訓練)を任意(つまり自らの意志に基づいて)に受けられる機会を設けることを約束したこと
(3)自身の各業界へのロビー活動により、職の確保に努めること
かな。
それ以外はヴィルパン首相の先週の発表とはあまり代わり映えしないという評価があるみたいだね。それよりも話題は、サルコジ内相との対比みたいだね。
(知恵)どういうことなの?

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