暴動にまた燃料投下かよ、orz

 有名なメールマガジン村上龍事務所の発行する Japan Mail Media というのがある。
私もずっと購読していて、ロンドン在住の丸國葉さんの「ロンドン〜スクエア・マイルから」はとても楽しみにしている。
 なにせこのメールマガジン、発行数13万超である。
100人とかにトラックバックを送るなんてのは、この数に比べれば水鉄砲でちょろちょろってなもんだろう、こちらから見ればあれはキャノンであり、核弾頭であり、それこそマスメディアなのだ、ネットの中に限れば。

で、今回の話である。

 執筆者の中にオランダで国際機関勤務の方がいらっしゃるのだが、今回、この時期旬の話題ということで、やはり今回のフランスの暴動について当然のごとく話題にされている。(次の号が発行されるまで、おそらく今日中であれば、その記事を全文ネットで読むことができる。JMM | 村上龍電子本製作所
 無断転載が禁止されているのでここに全文を掲載することは出来ないので、割と早いタイミングで私のこのエントリーを見た方は、リンク先に飛んでみてください。
 全体の論調としては、抑圧され隔離された世界がそこにあって、そこをなんとかしないと彼らは救われないんじゃないのという感じでまとめられている。

 まぁ、これで主たる論調としては、隔離世界どうするよ、で決まりですか...  orz
 
 何とかいい勝負をしていたら、最後の最後で、強烈な一発を食らって、この一撃でとどめを刺された?

 いや、立ち上がりますよ、こうなったら、ロッキーだ、ジョーだ、江頭だ!?
 
 以下に一部を抜粋します。(強調は管理人)

そういう環境で育っている移民労働者たちの子どもたちや孫たちにとってフランスは生まれて育っている故郷なのに、なんでほかのフランス人たちとおなじようにチャンスがないのだろう、と当然思いますよね。上昇志向のためのチャンスがない。上昇どころかここから抜け出せないのである。なんでだろう、というわけであります。

このあたりに、違和感があるわけです、少なくとも私の目には、教育に関しては機会平等で壁は限りなく低い、それは、いくつかのブログでも述べられているところです。

が、アラブ系アフリカ系がからむ問題というとヨーロッパでは即移民の問題ととらえるけれど、これは移民の問題ではないとわたくしは思う。移民してきたのは父祖たちで、昨今の暴動は彼らの子孫の世代、すなわちフランスに生まれてフランスに育った“生粋のフランス人”が提起している“フランスの社会問題”ととらえるのが正確なのではないか。

 移民問題ではないという捉え方には同意です。そして、とどめに繋がるのですが、

わたくしがこの問題を“移民の問題”でないとするのは、移民の問題だというとすぐ極右がでてきて彼らの排斥を叫ぶからであります。彼らが叫ぶことで、本来の共和制社会の制度運営の問題がすり替わってしまう。それは問題の認識として正しくないと思うのであります。フランスでの今度の事件は、再分配する資源はあるのにその資源があるグループのひとたちに対してだけ人為的に抑えられてきていた、そのことへの「憎悪と攻撃」であるようにわたくしには思えます。

 見えてしまったようです、「憎悪と攻撃」。ここで、私はもう降参です。欧州の国際機関で人事部長をされるお方です。私の言葉とはその重みに天と地の差があります。

と、ところがです。次のように文章が続くことで、なんか私にも見えました、今回の捉え方の相違が!!!!
 

そのあたりのなにかが変わらなければ、“ブルゴーニュ”で蝸牛を食べ、“サンドレンス”でジビエを食べ、“プティ・ジンク”で牡蠣を食べ、“エディター”でコーヒーを飲み、デュラスを読み、“ボン・マルシェ”で買い物をする、ごくふつうのフランス人が営むごくふつうのフランス的な生活を、彼らはおそらく一生経験することがないままだ。

 
先生、あの、それ、「ごくふつうの」、つまり平均的なフランス人の生活ではないと思いますよ、かなりと高い確率で。

フランス人の平均年収は300万程度です。それで、どうやってこのような生活が出来るのでしょう???高額納税者所得税率90%にしても無理だと思いますよ。

そう、わかったのです。
 差別、抑圧、社会対策に言及される方の、普通の暮らしは、どうも、我々庶民の普通の暮らしとは大きなギャップがあるようなのです。
 
 社会福祉で、満足感のある暮らしまで提供することは出来ないと思います、残念ながら。幸せは自ら掴み取るものだということを、暴れている彼らには考えてもらいたいと思います。そして、その為の障壁は可能な限り下げられているのだと。
 移民支援、生活支援、育児支援、そして教育に費やす税額及び人的リソース等を一度日本と比較して見てください。
 40年以上も続いてきた「フランス製アパルトヘイト」と決めつける前のは、高額な税金を忍耐強く払い続ける一般フランス庶民の声を聞いてからにしていただきたいなぁと思っていたりします。
 彼らは冷遇されているというよりもむしろ優遇されているというのが平均的なフランス人の感覚としてあり得るということは、露とも思われないのでしょうね、おそらく。