高齢化社会を生き抜け! これから期待される商売(その1)

きっかけは今朝の通勤時のメトロ。

4人掛けのボックス席の窓側の正面に綺麗な女性が座った。といっても若いエネルギッシュな感じではなく、ちょっと上品な、おそらく35歳前後だろうか、若い頃はさぞかし美しかったのだろうと容易に想像できるとても落ち着いた雰囲気の洗練された女性だ。

普段はあまり女性のことなど気にならず、むしろこのおっさんはどういう人生を送ってきた結果このような独特な味わいの作品になるのだろうなどということに関心が向かうのだが、今日はこの女性がとても気になった。かといって誘うような妖しげな雰囲気を醸し出しているわけでもなく、若い頃のようなこのままついて行きたいみたいな誘惑に駆られるわけでもない。ただそっと見てみたいと思わせる女性だった。
パリでしばらく暮らしているが、メトロで女性が気になったのは、昨年の夏、おまえそれはちょっと反則だろうというくらいに思いっきりシースルーなロングドレス1枚と申し訳程度のパンティ1枚しか身につけていない若い女性を見かけて以来だ。といってもこのときはさすがに他の乗客同様思いっきり引いた。あれはやりすぎだ。シースルーの奥を見たいというよりは、おまえの頭の中を覗いてみたいという感じだった。顔立ちも人並み以上というかむしろ上の部類に属していて、なんでそこまでしますか見たいな不思議な感覚を覚えた。

話を元に戻そう。

そう、今朝の女性の話。


髪はブロンド、目はターコイズ、女優で言うと、アシュレイ・ジャッドが最も近い感じ、薄手のベージュの革のハーフコートの下には黒のスタンドカラーシャツ、但しそのシャツの胸の下あたりからは赤をベースのチェックの生地に切り替わっていて、そのボタンは赤くて細い革紐をくるくるっとまるめた感じにしてあり、うまくアクセントとして機能している。パンツはブーツカットのタイトなジーンズで、靴は焦げ茶のショートブーツ。おそらくこの人は自分の体型というか身体的特徴というものを十分に把握していて、その上にどのようなものをまとえば美しく見えるかを見事に計算しているようで、お見事としかいいようがなかった。
が、しかし、その首をみると、生地こそ薄手だが、赤いバンダナが巻かれていたのである。
何故バンダナですか?

その時、ふと、とあるブログ(http://d.hatena.ne.jp/SNMR/20050321のコメント欄後半のmixianさんとSNMRさんのやりとり)を思い出した。年齢当てクイズが難しいというような話だ。

そんなもの首の衰えを見ればいっぱつだろうなどとそのとき思ったことがふと脳裏をよぎった。

もしや、あなた首隠してますか? というか隠してますよね、明らかに。

どうやら、首の衰えを隠すためにはおおざっぱに2種類の方法があるようだ。

1つは直接首をなんらかの方法で隠す。スカーフやバンダナ、ハイネックのセーターなどがそのアイテムだ。
もう一つは、胸元にちょっと目立つブローチ、そして唇には少し濃い目というか派手な色目の紅を引く。目くらましというか視線を首には向けさせないぞ作戦なのだろう。

よし、これは検証しかない。今日の行き帰りに徹底的にチェックしてみよう。幸い今日は暖かく、敢えてハイネックやスカーフなどを使わなくても十分な陽気だ。しかも天気もよく、風もない。

そして得られた結果は以下のとおり。

総サンプル数           68 (対象は30歳後半以降の全女性)
なんらかの方法で首を隠していた人 49 
 うちハイネック         11
 うちバンダナもしくはスカーフ  38
ブローチ+派手目のリップ     12
その他               7

なんと1割ちょっとの女性をのぞき、なんらかの形で首をごまかしていた。

つまり、あれだ。
日本はこれから、お歳を召した女性が急増する。そして長生きだ。
さらには首を隠す必要がある。
ということは、バンダナ、スカーフ、マフラー市場は順調に右肩上がりで成長すると十分見込める。
さらに、下手なものを使うとせっかくのトータルコーディネートがパーになる。
春、夏、秋、冬とそれぞれの季節に適した素材が必要だ。
これはネクタイ需要どころの話ではない。
それに、この市場は女性だけのものではない。
女装癖の男性やドラッグクィーン、ちょっとフェミニンな男性など、裾野は広い。
これに手を出さなくてどうするのだ。

誰かマジで専門店始めてみませんか?

但し、男性の方は、微妙なお年頃の女性(30前後から40前後あたり?)にプレゼントでこれらの品を贈るのはちょっとリスキーかもしれませんのでご注意を。