地球温暖化(その2)

R30さんのところでの、環境とか議定書とかでちょっと追記: R30::マーケティング社会時評にとりあえず反応しておきます。

antiECO氏からのご指摘「環境経済よりもこれからは森林保護だ」ってのも、うーむまあよく分かりませぬ。日本でも世界遺産とかブームになってるみたいだし、トレンドはトレンドでいいと思うんですが、だから何?ってところですねえ。

と言及いただいているのですが、「森林保護」を主張した覚えはありません。どうも書き方が稚拙だったようです。スンマセン。森林ビジネスについてちょこっと触れたつもりだったのですがね。
それと、本題の地球温暖化防止の精神ですが、精神は議定書に明示されています。
地球が温暖化することが、将来地球で生息する種にとって少なからずリスクとなることは明らかであり、その懸念のある物質について予防原則的観点からも排出を抑制しましょうというのは原理原則的には問題ないのではないでしょうか。
また、先進国と発展途上国との関係で言えば、これまでの先進国の発展には化石燃料、資源の消費とは密接に関係している訳で、発展途上国の今後の持続的発展の足を止めることなく、まずは恩恵を受けてきた先進国からまずは見本を示して削減し、その削減技術、手法、経験を発展途上国に提供することにより、将来的にはさらなる削減を目指しましょうというもの。
ただ、現実に立ち返ると、当面の免罪符を渡された発展途上国が例えば中国みたいにそれ自身もしくは先進各国から展開している企業が垂れ流しの状況じゃあ仕方がないだろうなどという突っ込みもある訳で、損得明暗が分かれるんじゃないかという議論が巻き起こることも当然のことだろう。
しかし、各国間の損得勘定は別途調整すべき問題で、地球全体の排出総量は減らしていくことには超したことがないので、一応網はかけてしまいましょうということで、めでたく発効に漕ぎ着けた状況にあるのではないでしょうか。

ところで、今の日本のような暮らしぶりでは、電力使用量はうなぎのぼりだし、郵政民営化で宅配業が熾烈な争いをしつつ、ネットでの商品購入なんかが進めばこれまで以上に商品や荷物の輸送需要は増えるし、便利な宅配で余った時間はマイカーでお出かけなんてことになれば、さらに燃料を使う訳で、一次産業分野よりもそれ以外をどう押さえるかについての対策が政府にとっては悩みの種になるのではないだろうか。
さらにこれは不可抗力ではあるが、今後これまで以上に夏は暑く冬は寒いという非常にメリハリのきいた気象が続き、また、風邪やインフルエンザが流行し、さらには老人の増加で、より室温管理に気をつけるべき(基準の定められた)公的施設等が増加すれば、これはこれでしんどい状況にありますねということ。

これまでも必死に省エネに努めてきた企業に、これまで以上の努力を求めるのもこれはこれでしんどい状況にあるし、ましてや最近はその保有するサーバのための空調管理なんてのも馬鹿にならない時代にどうやって減らしますか、暴走のリスクがあがっても管理温度あげますかなどという選択も迫られたりしたらどうしようもないかと。ましてや、DNAチップなどのバイオ分野の研究開発、医薬開発を進めるためには、これはこれでさらに電力は食うわけで、こっちの分野からもどうしましょうか、研究費削らなくてはならないっすか、それとも施設減らしますかなんてことも心配されたりしているのではないでしょうか。

じゃあ、排出権を買いましょうか、それとも、緑を増やしましょうかなんてことにもなるが、特に緑に関しては伐採せずに保護するばかりでは、じゃあ必要な資材の調達はどうするなんてことになる。これは各先進国も同様の状況にあって、北欧から買いますか、カナダからですかそれとも米国から、いや南米からなんて話になる。(話を針葉樹林だけに絞っています。)そうすると、排出量削減に寄与する森林は宝の山になりかねないですよね。

それ以外にも、発展途上国に事業展開する場合、今のように敷地造成が容易に進みますかという問題にも直面するでしょう。
そういった意味では、リオサミット(地球サミット)から始まった地球規模での環境保護活動が、各国の経済的構成要因を分析した場合、それぞれに、どのような影響を及ぼしうるかについては、よく分析しておくする必要があるかもしれませんね、精神的な将来の環境守る論とは別に。

なにはともあれ、予防原則を巡る、欧州と米国の立ち位置の違いを論ずることなく、環境経済について分析しても、見えてくるものは少ないと思います。

そのあたりは、これらのサミットには日本のプレスも大挙して取材していたようですから、ある程度以上の情報は持っているのではないでしょうか。

それとも地球サミット関係の記者は環境関係つまり科学技術関係の記者であって、経済関係の記者なので、情報交換がうまく行っていないということでしょうか、R30さんや極東ブログさんのおっしゃる環境経済分野が日本は弱いというのは。そのあたり、ちょっと不思議な感じがしますね。